シリアルナンバー077

マイ フェイバリット

三月の映画鑑賞録

恋する惑星     殿堂入り

ハッピーエンド  70点

聖なる鹿殺し     70点

今回観た二本はどちらともテイストが似ていました。ざっくり言うと、家族の物語。

ハッピーエンドが、ドキュメンタリー仕立てで

聖なる鹿殺しは、寓話的な感じがしました。

まずハッピーエンドについて。

物語のキーパーソンは10代の少女。彼女の目線と心の中は、どこまでもドライ。

裏を返せば愛情に飢えているんだけど、それを解消する方法が恐ろしく残酷。

少女の残酷性に気づいているのは、祖父だけ。

ボケているようで、本質は見極めてしまうのは

年の功?それだけではないことが終盤で明かされる。

祖父はある秘密を少女に告白する。二人はそれぞれの秘密を共有し、祖父は自分が、ハッピーエンドで終える為、少女を利用する。

最後まで少女はドライな眼差しで祖父の願いを叶える。なんのためらいもなく。

ハッピーエンドとは、誰にとってのハッピーな終焉なのか。家族とは?愛情って?と、色々考えさせられる映画です。

聖なる鹿殺しについて。

寓話的と感じるのは、何故そうなるのか理由が一切明かされないから。

むかしむかしあるところに、幸せな家族がいました。お父さん、お母さんはお医者さんです。ある時、お父さんの以前患者さんだった息子がお父さんに会いにきました。

そこから、この家族に様々な悲劇が起こりました。

あらすじはこんな感じ。

ホラーにもなり得る話だけど、この映画はそこはかとなく面白みも感じてしまいます。

理由も分からず、家族が次々と奇病に襲われ

家族の一人誰かを殺さないと一家全員が死んでしまうとこの息子は言います。

呪い?この子は神の化身?最後まで肝心な事は

分からずじまい。

理不尽極まりないこの現実を、この家族はどのように対処するのか…

この二本とも、見終わった後は心の中がざわざわするけど、嫌な気分にはならない。

なんとも不可思議な映画でした。